友情→亀裂→また友情
対岸の彼女 角田光代
「彼女のこんだて帖」に引き続いて角田光代さんの作品を読んだ。
私が好きな、人の内面の描写が詳細なストーリー。
同年齢、同じ大学出身の、(元)専業主婦(小夜子)と、結婚せず仕事と遊びを楽しむキャリアウーマン(葵)のお話。
キャリアウーマンは、高校時代に特別な体験をしていた。
私は、小夜子に思いっきり感情移入。
ちょうど、子育て世代共働き、という設定が小夜子にかぶったからかな?
葵のような生き方は、とうていできない。
冒険もできないし、1人が平気、とも思うことができない。
葵の強さは高校生時代の体験からだと思うけど、こんな人は世の中にどれほどいるのだろうか。
逆に、小夜子はかぶる部分が多い。
そして、世の中にはこんな人たくさんいると思う。
でも、私の読みが浅いのか、最後に葵の元に戻ったのは、同情としか思えない。
そういう、「上から」の感情は嫌いだ。