親が変わらなければならない
いい子に育てると犯罪者になります 岡本茂樹
衝撃的なタイトルに惹かれ、買うことを即決した本。
親なら、誰もが子供に罪を犯して欲しいなどとは思わない。
子供を持つ自分としても、何か手を打てるのであれば、と思い買った。
犯罪者との面談や作文から、罪を犯すきっかけとなる幼少期の人格形成に関わるポイントの解説が、メインの内容であった。
1~5章までは、犯罪者とその過去、幼少期のポイントなどが解説されているが、6章は、「幼少期の子育てで知っておきたいこと」と、実践編であった。
自分自身を受け入れるようになると、受け止め方が変わります。自分自身を受け入れると、腹が立つことが減っていきます。
そうすると、「席を立たないでください」と言っていたのが、「座ったままでお待ちください」と言えるようになる。
抑圧的な言い方から、依頼することができるようになる。
子供が自分自身を受け入れられるようになるような、子育てをすれば良い。
子どもが嘘をついたとき、一番やってはいけない親の対処法は、事実を指摘して「嘘をついてはいけない」と叱ることです。
そのように叱ると、子どもは「ごめんなさい」と謝る。それはいかにも「当たり前」な対応に思えるけれど、子どもが謝罪の方法を身につけると、子どもも親も嘘をついた理由を考えなくなってしまう。そして、子どもはますます嘘をつく人間になってゆく・・・。
子どもの嘘は人生最初の「問題行動」であり、親が子どもの「本音」を知るチャンスとのこと。
子どもが嘘をついたときには、(子どもを責めるようなことは何も言わず)「なぜ?」嘘をついたのかを考え、親が原因であると分かったなら、親が変わればよい。
「嘘をついてはいけない」と一方的に抑圧的な言い方で子どもを制するのは、最悪。
私の子どもはまだ嘘らしい嘘をついたことはない(はずだ)が、嘘をついたときには上記のことを忘れず対処したい。
その他、本書より印象的だった文章を抜粋。
結局、自信というのは「自分は自分でいいと思えること」です。
「大丈夫?」という言葉は、「大丈夫」という答えを引き出すことになって、相手の感情を抑制する場合があるということです。
反抗期というよりも、子どもの「自己表現期」と言い換えた方がいいのではないでしょうか。
評価する言葉で褒めると、子どもは誰かと比較するようになったり、偉くないときの自分はダメと思ったりするようになるかもしれません。
アドラーに通じるところがあるように思えた。
全体として、大変子育ての参考にしたい、と思える内容だった。