mayu-banzaiの日記

1日1冊が目標!読んだ本の感想をメインに掲載します。

思考停止してませんか?

フリーズする脳 築山節

「脳が冴える15の習慣」「脳と気持の整理術」に引き続き、築山先生脳シリーズ3冊目。

当たり前にできると思っていることが、できない瞬間を「フリーズ」と定義する。

 

第一章 不意に言葉に詰まる、物忘れをする

第二章 「まあいいや」が人をボケさせる

第三章 パソコンにカスタマイズされる脳

第四章 ネット依存と「思い出す力」の低下

第五章 人の話が聞き取れない、頭に入らない

第六章 血流の問題、脳を損傷している可能性

第七章 クリエイティブな能力を失うとき

第八章 「逃げたい心」が思考を止める

フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

 

 

10年も前に書かれているので、内容は最新、ということではないのだろう。

しかし、「なるほどね」と思える箇所は多かった。

 

本書はすなわち、ボケ?物忘れ?脳の異常?というような、「なんか最近アタマがうまく働かない」という状況が一体どういう状況なのか、を解説している。

 

ボケは、ある日突然起こるものではありません。必ず入り口の段階があります。その「ボケの予備軍」とも言える状態が、「フリーズする脳」です。

ボケ!「高齢」の両親の顔がチラリと頭をよぎる。

高齢、といっても、まだ前期高齢者、高齢ゾーンに足を踏み入れたばかりだが。

親のボケは、一番つらい。子供がわからなくなるとか。

もちろん、パートナーのボケもつらいと思う。「あなたはどなたですか」と聞かれると、それまで一緒に過ごした年月をすべて否定された気持ちにならないだろうか。

 

高次脳機能をつかさどる中枢、前頭葉

思考、感情をコントロールするのが前頭葉であり、前頭葉の機能が高い人ほど、状況を冷静に分析し、的確な行動をより速く決めることができる。

すなわち、理論的に考えることができ、てきぱきと行動できる人は前頭葉の機能が高い、ということなのだろう。

では、前頭葉の機能が低下すると?話や行動がパターン化されたり、反射的になったりする。いわゆる「上の空」状態。

上の空状態でしている行動では、まったく高次脳機能を使っていない。前頭葉に刺激を与えていないわけである。

前頭葉の機能は、使わなければ低下していく。

上の空→前頭葉機能低下→上の空・・・というスパイラルが簡単に創造できる。

 

新しく組み立てている部分があるか

何か、パターン化されていない、新しいことをすると、前頭葉が活発に使われる。

いつもの通りの生活をしているだけでは、前頭葉の機能は使われない。

すると、パターン化生活→前頭葉機能低下→上の空(状態)みたいなフローが出来上がる。

では、前頭葉を使うには、どうすれば良いのか?

生活の中で、新しく組み立てる部分を作れば良い。

パターン化された生活を、パターン化されていないものにするのだ。

 

脳機能の低下と加齢は必ずしも関係ない

ボケに陥っていくときの原因は、第一に環境である、と筆者は述べている。

加齢は二次的なものである。

ボケの原則は、「自分の脳を使っていない」「脳の使い方のバランスが悪い」ことが原因になる。

現代はボケが発生しやすい時代である。

なぜならば、インターネットやカーナビといったテクノロジーの進化によって、脳の使い方を偏らせることになったからだ。

本来、思考をコーディネートしながら結論を導き出していたことも、インターネットで検索すれば答えが瞬時に映し出される。

また、地図を見ながら運転経路を考えるということが、カーナビの登場で、機械の言うがままに運転すればよくなった。

すなわち、前頭葉を使う機会が、機械によって奪われていっている。

20代の若い人たちでも、ボケのような症状が出ても全くおかしくない世の中になった。

 

クリエイティブな能力は脳機能の総合力

クリエイティブな能力というのは、言ってみれば、さまざまな脳機能の総合力です。

最初からクリエイティブな人などいないのかもしれない。

周囲の環境が、その人をクリエイティブにしている。『クリエイティブ』は、才能ではなく、環境により作りあげられたものなのである。

仕事がよくできて独立するような人は、環境によって(脳が)回転させられていた歯車であることを忘れ、1人でも同じように回転できると勘違いし、環境を劣化させてしまうことがある。

締切が数か月に一度しかないような環境を作り出してしまうと、脳の基本回転数が落ち、クリエイティブな仕事はできなくなる。

それは「才能が枯れる」こととは異なるのである。

元々才能などなく、環境によって才能が作り出されていたのである。

 

脳をうまく使うには、活動をある程度マルチにしておく

活動をシンプルにすると、その方向に向かうやる気のベクトルが小さくなってしまう。

二つ以上のベクトルを持っていると、ある方向に向かう活動の中で受けた感情系の刺激が、別の方向に向かうやる気を増幅させて、そちらのベクトルで前に進むということが起こる。

趣味と仕事を両立させていた人が、仕事を辞めて趣味に集中しようとすると、逆にその趣味にそれほど熱中できない、ということも起こりうる。

「あの人は、仕事も趣味もすごく頑張っているが、凄いなあ。自分は仕事だけで精一杯だわ」と言っているような人も、脳の基本回転数が落ち、結局仕事に対しても脳がうまく働いていないのかもしれない。

 

いろんなことに興味をもって、新しいことをどんどん体験していきたい。

前頭葉を活発に働かせる、ということを意識すると、日々の生活もかなり変わるかも知れない。

いつもと違う道をいく、いつもと違う朝食を用意する、何か一つ新しくやってみるetc

 

最後に、思ったこと。

 

老齢の両親が、両親だけで暮らしているといろいろと心配でついつい便利な家電などを買ってあげたくなったり、何かをしてあげたくなったりする。

でも、それはボケを引き起こすトリガーとなるかもしれない。

便利さをあげるよりは、新しい刺激を提供するように心がけよう。

 

読んだ期間:3月29日~3月30日