情報の「捨て方」 成毛 眞
成毛さんは、元日本マイクロソフトの社長さんだそうです。
社長にまでなる人は、どんな考え方で情報に接しているのかな、と思って買った。
序章+本編5章構成
第1章:情報を「入手する」
第2章:情報を「見極める」
第3章:情報の「非整理術」
第4章:情報を「噛み砕く」
第5章:情報を「生み出す」
第6章:情報を「活用する」
第5章などは、他の「読書術」などにも書かれている「アウトプットすることにより自分のものになる」と同じ色合い。
多少ニュアンスは異なるが・・・。
成毛氏は、「自分の時間を奪うだけの情報は徹底的に捨て、遠ざけ、触れないようにする」というスタンスには同意できる。
情報が溢れすぎている現代、それから今後もっと情報が多くなる未来においては、情報との付き合い方は非常に大事だ。
ぼんやりと、自分の好きな情報だけに触れていると、情報弱者(という言葉を成毛氏は使用している)になってしまう。
それはすなわち通常の「格差」につながっていく・・・。
特に、第4章の「情報を「噛み砕く」」は興味深かった。
最近「考える」をテーマに色々な本を選ぶことが多いが、思いもよらぬところに「考える」につながる話があった。
第4章の副題は、「解釈する力のないものは敗れる」である。
情報には、曖昧なもの、ボンヤリしたもの(仮説)も多く、実はそれことが有益であることも珍しくない。
仮説は、人と共有して議論を深める役に立つし、自分の思考のトレーニングにもなる。
思考のトレーニング!私の大好物のワードのようです。
また、情報を基に「あの人だったらどうするか」と妄想することで、想像力が培われる。
そして、
岐路に立たされたとき、人間を救うのは想像力なのです
と、成毛氏は書いている。
情報には流れがあり、構成がある。
情報を「点」としてとらえるのではなく、ある流れ、構成の中の要素であると考えないと、情報弱者になってしまう。
そして、何かを買ったらすぐに新モデルが出た、などということになる。
(価格であえて旧モデルを選ぶ、などの場合は別ですよ)
「仮説を立てる」「情報の点をつなぐ」には訓練が必要。
そこで、「思考実験」を繰り返し、訓練しよう。
(本書には、成毛氏の思考実験の過程が記載されている)
思考実験を繰り返していると、数字や事実関係に対する勘が養われます。「あれっ、おかしいな」と気がつくこともできるようになるのです。
他の章も興味深いものであった。
なるほど、情報に接するには、やはりぼんやりしてはいられない。
読んだ期間:2016年5月31日