「大発見」の思考法 山中 伸弥、益川 敏英
お二人ともノーベル賞受賞者です。
以前、山中教授と稲盛氏の対談を読みました。
その時のブログがこちら↓↓
このお二人の対談から、私はとても刺激を受けました。
同じように、山中教授と益川教授のこの対談からも、とても刺激を受けました。
私がまだ研究職だったころに読みたかった2冊です。
お二人の対談からわかったことは、お二人とも「結果を面白がる」ことです。
これは、山中教授と稲盛氏の対談からも読み取れたことです。
研究者として、「なぜこうなるのか?」「なぜこうならないのか?」という疑問を持つことは非常に重要なことです。
疑問点がなければ、研究など進みやしません。
その意味では、本当に私は研究に向いていなかったと思います。
なぜなら、結果をそのまま受け入れてしまい、思考が発展しないからです。
「実験」は好きだけど、「研究」には適性がなかった。
残念なことです。
思考がとぶ
益川教授は、考え事をするときには京都の町をぐるぐる歩き回っていたそうです。
構想を練るようなときは静かすぎると集中できないので、外を歩き回るそうです。
その方が、『思考がとぶ』のだそうです。
これ、何となくわかりませんか?
例えば、何かを集中してやりたいときは、意外とカフェなどのざわざわしている場所の方が良かったりします。
読書も、電車の中の方が集中して読み進められることもあります。
どういう理屈なのでしょうね。いつか知りたいです。脳科学の本に書いてあるのでしょうか?
プレゼン術
山中教授は、アメリカ留学時代にプレゼンの技術を学んだそうです。
やはり、自分の成果を正しく、興味を持ってもらえるように説明することは非常に大切なことなのですね。
アメリカでは、大学の授業でプレゼンや論文作成の技術を教えてくれるそうです。
まあ、私が大学生の頃にそのような授業があったとしても、おそらく必修科目ではない限りとらなかったでしょうが・・・。(意志の低さが見えます)
私の中では、スティーブ・ジョブズのプレゼン以降、プレゼン技術の大切さがよりクローズアップされている気がします。
アメリカでは、自分をどのようにアピールすれば良いのかを、テクニックとして学ぶ場があるのです。
日本では、せいぜい志の高いビジネスパーソン対象のセミナーなどしかないのではないでしょうか(調べていないので、大学などで有名な講義があったら、申し訳ありません)
もう少し自己アピールのためのテクニックを、早い段階で身につけさせるべきですね。
私自身の体験としても、就職活動で初めて自己PRをしたり。
今思えば、ひどいことを言っていたんでしょうね(笑)今でも自己PRは苦手ですが。
ひとまず、対談中に山中教授が紹介したプレゼンテクニックを。
- 文字ばかりのスライドは作らない
- 読めないサイズの文字は使わない
- プレゼン中にポインターをグルグル回さない
- 発表の目的をはっきりとする
- 言わないことは書かない
当たり前と言えば、当たり前のような気もしますが・・・。
私としては、「文字ばかり」のスライドを「ポインターをグルグル回して説明する」のをやめようと思いました。
プルシナー
山中教授と益川教授の研究分野は、「科学系」というところ以外共通点はないように思います。
対談中に、益川教授から「生物化学の天才といえば誰を連想するか」と問われた山中教授が「プルシナーですね」と答えます。
そこで、益川教授が「クロイツフェルト・ヤコブ病の原因となるプリオンを発見してノーベル賞を受賞した研究者ですね」とコメントをされます。
私は、恥ずかしながらノーベル賞を受賞したような偉大な研究者すらも名前から連想できませんでした。(プルシナーって誰やねん、レベルです)
山中教授も、益川教授の研究に関連する事項をよくご存知でした。
(対談のために多少勉強はされたのかも知れませんが。)
やはり、分野が違えどいろいろなことを知っているお二人からは、凡人とは違う何かを感じます。
常に考えている
お二人は、常に考えています。
研究テーマに沿って、興味のあることに従って、常に何かを思考されているようです。
そして、ふとした瞬間に「あっ!」とひらめくのです。だいたい、偉大な発見などをしている方は、研究室や机上の理論展開ではなく、日常のふとした瞬間にひらめいているようですね。
それは、やはり常に「考えている」からだと思います。
私は、何かを考えているだろうか、と思うと、隠れたくなるくらい何も考えていない自分が恥ずかしいです。
今は研究を離れた、とはいっても、業務上考えるべきことはたっくさんあります。
「仕事とプライベートは切り離す」というのは、人生を楽しく過ごすには大事なことだと思います。しかし、もう一歩進んで、プライベート中も考えていたいほど仕事に没頭できれば、人生もっと楽しいだろうな、と思いました。
このような素晴らしい対談の本が、中古とはいえ1円で売られているのは少し残念な気もします。
その分、多くの人に読んでもらえるから良いのかも知れませんが。
読んだ期間:2016年7月2日~2016年7月3日