PRESIDENT 2017.1.2号
患者だけが知らない医者の診断のウラ側
一応医療関係者なので、医療関係者としての目線と、患者としての目線から読みました。
私が「おもしろ~い」と思って読んだ記事は以下の通り。
①お医者さんの決まり文句、ウラの意味を教えます
②医師が患者の期待に75%しか応えられないわけ
③出口治明の悩みごとの出口-専業主婦の妻に保険をかけるかどうか悩んでいます-
①お医者さんの決まり文句、ウラの意味を教えます
〇今日はどうされましたか?
〇何かあったら来てください。
等々、いつも言われませんか?その言葉の裏にはこんな意味があったのです。
〇今日はどうされましたか?⇒問診表だけではわからないかも知れない。問診表の記載内容と実際困っていることが異なるかもしれない。
すなわち、最初は幅を広げて聞いて、そこから絞り込んでいこう、ということですね。
私は、問診表って、あまり細かく書かないです。
メインの症状を記載したら、あとは「直接言おう」と思っていたりします。
『今日はどうされましたか?』という問いかけをされなかったことは記憶ではありませんが、もし問診表だけを見て診断するお医者さんがいるならば、大事なことが伝えられないかも知れません。
〇何かあったら来てください。⇒変化があったら適切なタイミングで処置しましょう。
様子を見ましょう、というのも同義語。
患者さんの症状は刻々と変化しているので、病気がはっきりしてから治療すべきときを見極めましょう、ということらしいです。
医者は病気を、致死性の高低、緊急度の高低のマトリックスで考えています。
その中で、「致死性が高く、緊急度が高い」心筋梗塞のような病気を見逃さないよう努めています。
風邪のような「致死性が低く、緊急度が低い」病気では支持する言葉もトーンも変わるそうです。
患者さんは自分の病気を「致死性が高く、緊急度が高い」と思って病院に行くから、「あのお医者さん、ちゃんと診てくれたのかな・・・」という思いがわくのですね。
②医師が患者の期待に75%しか応えられないわけ
作家であり、医師でもある久坂部羊氏の記事です。
結局、世間は医療に「100%」を求め、医者はその期待に応えるために無理をして、場合によっては事実をごまかしながら治療行為に当たっていることが原因なのです。
「75%でいい」と期待値を下げてみましょう。100%はあり得ないのです。
そうすると、近所の病院、医師を頼り、向き合うことになります。
100%を求めてあれやこれやするより、その方が時間、費用などの負担と、結果として得られる利益の収支バランスが、最も効率的で治る確率も高いのではないか、と述べています。
もう一つ印象的だったのは、次の言葉です。
「ぴんぴんコロリ」とは言いますが、健康管理に留意してきた方ほど、なかなかコロリとは逝きません。
現実には年をとるにつれ、あちこちの機能が低下し、トイレに行くのにも、ものを飲み込むのにも苦労する日々が待っているのです。
食べる喜びもなく、死ねない状態がどれだけつらいかを理解すれば、健康づくりに汲々とする時間がもったいなく思えてきます。それよりもっと大きな、人生観や死生観に目を向けることが大切ではないでしょうか。
不摂生を受け入れているわけではなく、長生きしたい!ピンころがいい!と、健康づくりにばかり邁進するのではなく、別のところに目を向けてはいかがですか、との問いかけだと理解しています。
私は30歳も半ばを超え、病気がちになりました。
インフルエンザ、謎の高熱、帯状疱疹・・・本当に気弱になります。
そんなとき、ゆるぎない人生観や死生観を持っていると、あわて迷うことなく、対処できるのでしょう。
③出口治明の悩みごとの出口-専業主婦の妻に保険をかけるかどうか悩んでいます-
医療とは離れます。毎号いろんな相談にのるという企画のコラムです。
出口氏はライフネット生命保険会長であるためか、仕事の悩みとともに、保険の悩みもちょいちょいあるように感じます。
今回は、「専業主婦の妻に保険をかけるかどうか悩んでいます」という問いに、出口氏が答えています。
私が印象に残っているのは、悩みに対する回答の締めくくりに、こう答えているところです。
それよりも毎日、奥様に愛情あふれる言葉をかけて、大事にする。奥様がストレスで病気になったり、実家に帰ったりすることがないようにする。保険を買うだけでなく、そうしたケアも重要です。
このあたりをおろそかにしている方は多いのではないでしょうか。
私も、主人に対してできているか、というと、NOです。
反省。
読んだ期間:2016年12月11日