バセドウ病が原因でした。 たかはし 志貴
バセドウ病、聞いたことはあると思います。しかし、周りに当事者がいないと、どんな病気なのか実感が湧かないですね。
バセドウ病とは、自己免疫疾患の一つで、甲状腺ホルモンが過剰に作られる状態である甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気のことです。
女性に多く、30-40代で発症する方が多いそうです。
明らかな原因は解明されていないようですが、遺伝性のこともあるようです。
甲状腺ホルモンの生合成を抑制するような薬を飲んで、甲状腺ホルモン値を正常に保つような治療をしていくようですが、その薬も副作用に気を付けなければならなかったり、すごく大変そうです。
本書では、バセドウ病の診断から強迫性障害の話まで、読んでいて「この人生きるの大変そうだなあ」と心配になる感じでした。
バセドウ病の症状についてもリアルに描かれており、想像しやすくなっています。
また、専門の科を有する病院が少なかったり、外れ(相性が悪い、という意味です)の医師に当たってしまったり、治療を続けることがそもそも一苦労のようでした。パートナーの就職に伴って引っ越しをした時などは、病院探しに非常に苦労したようです。
そのへんの内科ではダメなようです。
そんなこんながありつつも、周りの人に支えられながら自分のペースを見出して生きていく著者でした。
そのうえ、強迫性障害ともなんとか付き合っており、私だったらメンタルやられてるよ・・・、と著者に尊敬の念を抱いたほどです。
強迫性障害とは、有名なのが「いつまでも手を洗っている」とか「家のカギを閉めたか心配になって何度も戻る」などでしょう。
著者もそのような傾向があるようですが、最も大変そうなのは、「運転をするたびに人を轢かないか気が気ではない」というものです。
もちろん、通行人を考慮して運転をすることは大事ですが、著者の場合は我々が考える以上に人を轢くことを恐れ、運転に支障が出るほどです。
それなのによく免許とれたな、という感じですが車社会の土地に引っ越し、運転できなければかなり不便を強いられるのに、運転できないのです、怖くて。
大変つらい状況だと思います。私も車社会で過ごした経験がありますが、運転できない=多大な時間とお金のロス、です。
著者はそんな自分と向き合って、何とか運転しないで移動して生活しています。慣れればどうってことはないのでしょうが、都会みたいに電車・バスの交通網が整っているわけではない田舎では、結構大変でしょう。
バセドウ病についても、強迫性障害についても、パートナー次第ではめちゃくちゃQOLが低下しそうですが、幸いにも著者のパートナーおよびその家族はかなり理解があり、著者が傷ついている様子はありません。(職場では色々あったみたいですが。)
自分が病気になったときのパートナーの態度、大事ですよね。
風邪をひいて寝込んでいるときに、「メシは?」なんて言ってくるパートナーをお持ちの皆様、考え直した方が良いと思いますよ。余計なお世話ですが・・・。
読んだ日:2019年4月1日
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