母は汚屋敷住人 高嶋 あがさ
私の母が片づけられない人、というわけではなく、純粋におもしろそうだったから興味のみで読んでみました。
本当にこんな人いるのかな・・・?という感想ですが、そういえば以前テレビで、片づけられない人のおうちに行って綺麗にしてあげるような企画があったように思います。
たとえば女芸人さんのお部屋を「汚部屋」と言って、片付けのプロと一緒に訪問し「ごみ袋〇〇袋分捨てました!」とか、一軒家で家の中から周囲までを数日かけて業者と一緒に(というより業者が)片付け、「トラック〇〇台分の不用品を処分しました!」「歩く道ができた!」などとやっていたような。
その方たちのその後はわかりませんが、同じ芸人の人が何度も同じような企画に出ていたところを見ると、一時片付いたとしても、またすぐに元の汚い状態に戻ってしまうようですね。
テレビで「ひょえ~」と思いながら見ている分には、まだ楽しいです。自分も片づけられない方だと思っていますが、まだマシ、なんて思うこともできます。
が、それが身内の話だったら、また状況が変わってきますよね・・・。
この本では、著者のお母さん(65歳)の片づけられなさ、いえ、片づけられないというよりは捨てられなさと、片づけたい、捨てたい著者のバトルが描かれています。
モノをため込む人、というのは、「もったいない」「いつか使う」「スクラップしてから捨てる」など、ただ捨てることに抵抗感が大きいのですよね。壊れた家電なんて明らかにゴミなのに、なぜか捨てない。理解不可能です。著者のお母さんもそうです。
著者がこっそり捨てようものなら「なぜ勝手に捨てたのか」と怒ります。
それならば確認をとってから捨てようとしても「これはいる、あれもいる」と埒があかない。
「捨てなければ家が壊れる」というところまできても、まだ捨てない。お医者さんに診てもらえば何か病気の診断がつくレベルなのでしょうが、治療するにも本人が「治したい」という意思がないとどうしようもないようです。
そこで、著者はあれこれと作戦を立ててモノを減らしていきますが・・・。
著者の奮闘と、それをあざ笑うかのようなお母さんの行動が、読んでいて楽しかったです。でも、自分の母じゃなくて良かったです。本当に。
(認知症などで、それまできっちりと片づけられていた人が、モノをため込むようになったりするそうなので、ある日他人事ではなくなる可能性も十分にありますが。)
読んだ日:2018年1月11日
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