不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について 三砂ちづる
シュールな印象を受けました。
5つの短編からなる、短編集です。
その中でも、「雨の日と月曜日には」とタイトルにもなっている「不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について」が面白かったです。
雨の日と・・・の方は、設定が突飛です。動物園のパンダが、雨の日と月曜日には・・・どうなるのかは読んでいただきたいところですが、たとえばパンダが運動場にいなくても「ああ、室内にいるのだな」と思うのが大半の人。
何の疑問も持ちません。いなくたって、何の違和感も抱きません。
でも、実は、その時パンダは本当にいなくて、何か別のことをしているとするならば・・・?そう考えたこと自体が、一般ピープルとは違いますね。
目の前にある現実は、本当にあなたが想像するようなものですか?そう問いかけられた気がします。
飼育員さんは何か気付かないのか?そうですね、気付かないのです。飼育員さんも一般人ですから。
そして、不完全燃焼・・・の方ですが、愉快な感じでした。
このお話が本当だとしたら、どんなにステキでしょう。家族の夢が広がる気がしました。
三砂ちづるさん、薬科大卒みたいです。
それで、薬剤師や薬が登場するお話もいくつかあったのですね。納得。
小説以外にも色々と著書があるようなので、機会があれば読んでみたいと思います。
読んだ日:2018年3月上旬
↑画像orタイトルをクリックするとamazonのサイトにとびます。