まゆみのマーチ 重松 清
「まゆみのマーチ」を含む、6つのお話が載っています。
不登校、いじめにからめた短編がメインで載っていました。
特に、タイトルにもなっている「まゆみのマーチ」が強く印象に残りました。
少し変わった少女であるまゆみ(小1)と担任の先生とはうまくいかず、学校へ行けなくなってしまいます。
そこで母親が一生懸命まゆみのことを考え、励まし、力になります。
そんな母親がもうすぐ死ぬ、というときに、まゆみとその兄が、まゆみが小学校に通えなかった時期のことについて話をします。実は、兄の子供は事情があって引きこもり中。
まゆみに対する母親の接し方を聞き、思い出し、兄も一歩を踏み出すところでお話は終わります。
何故印象に残ったか。やはり、主人公が「不登校」だったから、そして、母親の頑張りがそれを克服したから、でしょうか。
純粋に「このお母さん凄いな。全面的に子どもの味方だな。」と感動しました。一方で、「こんな母親現実だったら存在するかな」という思いも。いそうな気はするけど、出会ったことのない、作られた母親像。そんな感じを受けました。ただ、「まゆみのマーチ」は子どもにとってはとても大きなエネルギーになりそうなことは確かです。
今、不登校関連の本を何冊か読んでいますが、いわゆる『自己肯定感の向上』につながるような接し方です。
ですから、私も子どもに「〇〇(子の名前)のマーチ」を歌ってあげたいな、と思いました。たくさんハグして、耳元でマーチを歌ってあげたいです。
まゆみが大人になってからのエピソードもちらほら出てきますが、「やっぱ学校にすらろくに通えない子は大人になってろくでもない人生送るんだな」という偏見を植え付けそうな感じがするようなエピソードです。その点は、残念です。
他の短編でも、いじめられている子どもの気持ちが(恐らく)子ども目線で描かれており、切なくなるようなお話もありました。ああ、いじめられている子どもって、こんな風に考えるんだなあ、と知ることもできます。
身近な大人が、子どもからするととんでもなく残酷な対応をしてしまう様子も描かれています。ぜひとも学校の先生には読んでほしい1冊です。
自選短編集・女子編、ということで、男子編もあるようです。
次、読もう。
読んだ日:2018年2月中旬
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