灯し続けることば 大村 はま
子どもを教える立場にはありませんが、読んでみました。
この本は、以前読んだ下記の本で紹介されており、興味を持ちました。
大村はまさんという方を、これまで全く知りませんでした。国語教育界、いえ、教育界では有名な方のようですね。2005年に亡くなっています。
「教師とはこうあるべきものだ」といった感じの本です。が、理想論が押し付けられているわけではなく、大村はまさんが考える「教師の理想論」が述べられています。
私も学齢期の子をもつ保護者の一人として、こんな先生がいるといいなあ、と思える内容でした。
少しだけ、気になった部分を抜粋。
常識的で一般的な正しさ、こういうときはこうするのだという固定した見方にとらわれないようにしなければならない。本当に注意する必要のあるときは案外少ないものだ・・・。
このことは、子どもを教える立場のある人には心がけて欲しいなあ、と思いました。あまり小さなことにとらわれて、大事なことを見落とさないようにして欲しいです。
そして、教師というのは、特に年齢の幼い子どもにとっては、接することの少ない大人のうちの一人になるわけですから影響力は大きいと思います。あまりつまらないことをグダグダと矯正して個性を殺すよりは、一人一人の個性が活かされるように、伸び伸びとしていられるような授業を展開して欲しいです。
また、これは教師だけではなく、親にも当てはまることだと思います。特に、私自身はつまらないことですぐ子どもに口出ししてしまうので、この言葉は肝に銘じたいと思いました。
学習の最後の場面などで子どもに、みんなの前で発表させることがあります。このとき、教師はその子に十分な指導をし、人を惹きつけ関心される発表になるよう、準備をしなくてはなりません。
あら、私はこんな指導はされた記憶がありません。私がこれまで生きてきた中で、プレゼンテーションの指導というのは、大学生になり、研究室に入って初めて受けました。それも先輩からのアドバイス、といった形なので、正式なものではないと思います。その研究室でのやり方、と言っても良いでしょう。
それが不十分なゆえに、その子が人前で恥をかくようなことになったら、その責任は教師にあります。
なんか、これわかる気がします。
普通の子どもは、友達みんなの前で失敗したり恥をかいたりしたら、気が滅入って二度としたくなくなるでしょう。
みんなの前で発表するなんて、子どもはあまり慣れていないことだし、失敗したらどうしようと考え緊張するのは当たり前のことだと思います。特別やり方を教えてもらうこともなく、突然「やれ」と言われれば、大人だって緊張します。
「子どもにはたくさん失敗させろ、それで子どもが強くなっていく」という理屈にはほぼ賛成なのですが、させなくても良い失敗もあると思います。
大村はまさんの著書で他にも読んでみたい本がありましたので、1冊ポチりました。 早く来ないかな。
読んだ日:2018年1月7日
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