とにかくうちに帰ります 津村 記久子
以前読んだ短編集の中の、一番さくさく読めた(=おもしろかった)作家さんの、短編集です。
以前のブログ↓↓
一つめのお話『職場の作法』は、「そういうものだろ、仕事っていうのは」に載っているお話です。
ですから、もう二つのお話についての感想を少々。
『バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ』と言うお話。フィギアスケートのマイナーな選手を応援するお話です。
熱烈なファンの話、ということではなく、何となく気に入った選手の動向を追いかけつつ過ごすアラサー女子の話です。
職場が、『職場の作法』を同じところで、同じ面子が登場します。
こういう、つながりのある短編集って、私は大好きです。同じ場面をいろんな人の視点から考える感じ。
色んな人がいるのね~、と気づかせてくれます。
そして、もう一つは『とにかくうちに帰ります』。
台風だろうが、大雨だろうが、とにかくうちに帰りたいのです(笑)
内容は「あるある」。会社で働く多くの(真面目な)人が陥るであろう状況です。
私も、きっとこの主人公と同じような行動をするだろうな、と共感。
何人かの気持ちが描かれているのですが、全ての人に共感。
どうしてでしょうね?合理的に考えれば、会社に居残るのが一番ダメージが少ない、とわかるときでも、一刻も早く我が家に帰りたいのです。我が家に帰って、「ホッ」としたいのです。
これが、人間の本能なのかも知れませんね。
読んだ期間:2017年8月18日