mayu-banzaiの日記

1日1冊が目標!読んだ本の感想をメインに掲載します。

つまずく子ほど大きく伸びる 生駒 富男

 第一高等学院という通信制高校の理事長である生駒富男氏による著書です。 

つまずく子ほど大きく伸びる

つまずく子ほど大きく伸びる

 

 第一高等学院HPはこちら↓↓

https://www.daiichigakuin.ed.jp/

 

サッカーの香川真司選手の出身校でもあるそうです。

通信制高校の口コミサイトみたいので口コミを見てみましたが、さほど悪い口コミはありませんでした。キャンパスが多く、場所によっては自由な校風が「だらけ」に繋がっているところもあるようですが・・・。

わが子については高校はまだまだ先の話ですが、目に止まったので参考までに読んでみました。

 

まず、全体を読んで、理事長の考え方はとても素晴らしいものであったと思います。生徒たち一人一人の個性ややりたいことを尊重し、伸ばしていこうという考えです。そして、生きていく上で大事な力を身につけてほしいと、特色あるカリキュラムを組んでいるようです。

書かれていること全てが実現するなら、第一高等学院に通う子は非常に強い大人になれるような気がします。ただ、理想論をすべて並べて、第一高等学院という学校を魅力的なものに見せようとしすぎているような印象も受けました。(要は、うさんくささ、ですね。)

勉強以外のやりたいことがあって、高卒の資格もとりたい、そんな人には最適ではないかと思います。(通信制高校がそういうものである気もしますが。)しかし、本になるくらいなら、世の中にはこういった高校は少ないものなのでしょうか??

 

不登校の生徒も多くいるようなので、保護者としては安心かも知れません。

 

本書は4章構成です。

 はじめに

 第1章 多様な学びの場を提供する通信制高校

 第2章 不登校・ひきこもりからの再チャレンジ

 第3章 「自他肯定感教育」でもっと自分を好きになる

 第4章 チャレンジ・再チャレンジの高校

 おわりに

 

いくつか印象的だったところを。

優等生だった生徒が不登校になり、ひきこもるというのは、自分を肯定できない結果と言えます。

中学までは成績トップでも、高校では平均的な成績になってしまう。そんな時に、アイデンティティが崩壊し、不登校になってしまう子がいるようです。

勉強だけが、唯一他人が自分を認めてくれるものだったのでしょうね。自分で言うのもなんですが、私は中学生の時には学校でトップの成績でした。高校は割かし自由な校風の進学校へ。しかし、私は高校では落ちこぼれでした。そこで、「私って何のとりえもないやつなんだ・・・」と悲観的になることもなく、なんとな~くおちこぼれのまま適応していっていました。

が、ここで適応できない人が不登校⇒引きこもりとなってしまうのですね。

優等生、危険です。

 

生徒たちの悩みは、第三者から見たら容易に対処法は見つけられても、本人が対処法を見つけるのは難しいのです。

なるほど、一理ありますね。他人が悩んでいるのを見ていると「こうすれば良いのに・・・」と思ったりしますもんね。自分の子どもを見て「もう、こうすれば良いのに!(イライラ)」とならないように気をつけようと思います。

だって、本人にとっては、出口の見えない悩みなのですもんね。 

 

自他肯定感

自分を対象にした自己肯定感という言葉は有名ですが、この「自他肯定感」というのは第一学院高校の基本となる教育みたいです。

自分を肯定する→他者も肯定する→もっと自分も周りの人も好きになる

何か宗教チックにも見えますが、結局は「もっと自分を好きになる」ための教育でしょうか。否定はしませんが、何か一歩ひいてしまいます。

もちろん、考え方そのものは素晴らしいと思いますよ。世界平和的な。

 

脳は思考、感情、体調に分かれており、最も強く行動に作用するのは感情なのです。

どっかの自己啓発本で読んだような・・・。

 

他喜力

自分ではなく、他人を喜ばせる能力の事。他喜力は自分の実力を何倍にも大きくしてくれる、とのことです。

 

他喜力はに人に五つのすごい力をもたらします。人を動かすこと、究極のアイデアを生むこと、ストレスをなくすこと、欠点をなかったことにしてくれること、自分が大好きになること-の五つです。

他人のために何かをする、というのは、後味の良いものです。そして、大体において、善意でされることに対しては、少なくとも嫌な気分はしないものですよね。

人間関係を円滑にする上で必要な力でもあると思いました。

 

社会人にとっても、ためになる部分が多かったと思います。読んで損はないけど、少しうさんくささが漂う、そんな感じの本でした。

 

一つ残念だったのは、本のタイトルである「大きく」を感じられなかったことです。ごくごく一部の、スポーツや芸術活動と並行して高校に通う生徒のことを大きく取り上げ、不登校あがりの生徒については「何事もなく、楽しく高校生活を終え、ふつうの職に向かって頑張ってますよ~」というにとどまっている印象でした。

私がタイトルを見て想像した「大きく」には、当てはまらない事例がほとんどだったと思います。このへんは各個人の価値観によると思います。

不登校の子が楽しく学校に通えただけでも凄いじゃないか!という意見ももちろんあると思います。私もそう思いますが、本にするくらいなら、もっとビッグなことに挑戦している卒業生・在校生(元不登校に限る)の紹介があって欲しかったです。

 

読んだ日:2018年1月11日~1月12日

つまずく子ほど大きく伸びる

↑画像orタイトルをクリックするとamazonのサイトにとびます。