トヨタ流-その1-
トヨタの伝え方 酒井進児
「トヨタの○○」系の本は、これまでも何冊か読んだ。
この、「トヨタの伝え方」 も含め、全てが自分の糧となっていると思う。
本書は、4章構成となっており、第3章まではA3にまとめることのメリットを具体的に述べ、第4章ではA3からは少し離れて「考える」ことについて述べられている。
最初は、「質の良い資料の作り方の本かな?」と思って買い、読み始めた。
そういった箇所もあったが、言いたいことはそれではなかった。
決定的瞬間を決めるのは、常に決定的なひとことです。
これは、非常に共感する。
熱い議論の中で「どうやって収集つけるのかな~」なんて思っていると、誰かがバシッと本質をついた発言をして、「確かにね」と、皆納得の上終了。
「ひとこと」なんだよね、たいがい。
よく話聞いて、よく理解して、よく考えた上での発言は、やっぱ重みがある。
ただ、さまざまな分野のリーダー的な人の多くは、今でも手書きの書簡を欠かしません。
読んだときに思ったのは、リーダーになると手書きの書簡が必要になるのか、手書きの書簡を平社員のころから出すような人がリーダーになるのか、ということ。
(まあ、どっちでもいいんだ!と言われそうだけど)
手書きの書簡、を出す先のない私には、とんと見当がつかない。
パワポでのプレゼンでは人の心は動かない
他にも、『プレゼン資料を手書きで作成すれば、インパクトがあるかも』といった内容のことも書かれている。
この箇所については、私は「?」である。
著者は、アンチパワポ(上手に使えば素晴らしいツールであることは認めている)、A3用紙推進であり、私もその点について少なからず同意できる。
ただ、「手書き」には少し躊躇してしまう。
字が読みにくい人はたっくさんいるし、PCで作成した整然とした資料を見慣れちゃうと、手書き、って、もはや読みにくい・・・。
問題は、そうした中で、デジタル化が人間の思考パターンにまで影響を及ぼしているということです。
考えることは本来、自分の頭の中、もしくは他の人と議論をして、そこから意見やアイデアを生み出すことです。
思考パターンがデジタル化され、「考える」ことを現代の人たちはやっていない!
最適な情報をゲットした→すなわち「考えた」、みたいな状況になっている。
なるほど!思い当たる節は多いぞ。
私も、何か課題について、すぐにネットで情報を集める癖がついている。
実は、「考える」ことをこれまでの人生でしたことがない、ということに気付いた。
受験も、「覚える」だったし、理系にも関わらず「考え」ないで実験など行ってきた(今思えばね)。
何か作業をしていれば、仕事をしているようにも見えるが、考えずにやった仕事は結局「それなり」で終わるし、身にもつかない。
課題→情報検索、ではなく、課題→考える→情報検索、と「考える」ステップを意識的に取り入れたい。
読んだ期間:2016年3月21日~24日