気づけない毒親 高橋エリ
毒親、心当たりはありませんか?
毒親とは・・・不安が強く、強迫観念から子どもをコントロールしがちで、子どもの気持ちをやれない親、と著者は定義しています。
本書は4章構成になっています。
はじめに
Part 1 毒親って、どんな親?
Part 2 日本の子育てが、おかしくなっている
Part 3 心配性で過干渉な親が子どもに呪いをかける
Part 4 家族の関係をよくするために
おわりに
全体読んでの感想としては、「多かれ少なかれ、どんな親でも毒を持っているのではないか」ということです。かなり細かく色々書かれているので、どんな人が読んでも、1つくらいは当てはまる項目がありそうです。
「子どものために」と思ってやっていることでも、場合によっては「毒」となりうるのです。
また、子どもが特に何も感じていなくても、親が毒の場合もある、というところが衝撃です。世の中毒親だらけじゃん・・・と、なんだか暗い気持ちになりました。
そもそも、この本を読んだきっかけなんですが・・・。
私自身子どもたちの世話をしながらイラっとして怒鳴ってしまうことがあります。
また、疲れてしまったときには、ほったらかしにすることもあります。
ふと、これは虐待につながるのではないか、状況としてあまりよろしくないのではないか、と思い、インターネットで色々調べました。
「虐待」「怒鳴る」「もういや」等々のキーワードで、現状を打破できる方法を検索していたところ、この本のことを紹介している記事に出会いました。(何かの雑誌のネット記事だと思いますが、詳細は忘れました。)
毒親、という言葉は知っていましたが、明らかに精神的、身体的虐待をしている人のことを指すとばかり思っていました。本書では、そうではない、傍目から見ても「毒親なの?」と疑いたくなるような人も毒親認定されています。(これについては、本書を読み進めていくうちに、納得できるようになりますが・・・。)
毒親、は、母親だけではないですよ。もちろん、父親にもいます。
いわゆる『昭和の父親』は、今なら、毒親です。
印象的だった箇所を、2つほど。
毒親のおしゃべりは「独り言」
毒親は、不安が強いために、ものごとの不安やアラばかり見つける習性が身についているそうです。子どもの前で愚痴を言って、子どもを不安にさせるのです。しかも、毒親には「自分の過去の言動を、ろくに覚えていない」そうで、子どもにとっては迷惑以外の何物でもないですね。
今、産みの親だけで子どもを育てるという、人類史上初の「無謀な試み」をやっていることになります。
昔は、子どもとは、産みの親が育てるものではなかったそうです。産みの親は、まだ若くて未熟なため、子どもを授乳してかわいがるだけで、その他のことは、もっと成熟した他の成人がやっていてくれていたそうです。
なんだか、「自分は子どもを育てる器ではない・・・」と感じていたことが肯定されたような気分です。周りに大勢の成熟した大人がいる環境であれば、もう少し育児が楽なのかも知れません。
実際、子どもも、親に言われたことよりも、第三者の大人に言われたことの方が身に染みるみたいですし。
でもね、その成熟した成人が毒親に育てられている場合は、やっぱりその成人も毒を持っている可能性があるんですよね。
もう、毒親ではない親はこんな親だ!と教えてほしいです。
読んだ日:2019年8月中旬
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