mayu-banzaiの日記

1日1冊が目標!読んだ本の感想をメインに掲載します。

反省させると犯罪者になります 岡本 茂樹

Amazonさんからのおススメに入っていた本です。

みなさんは、何か悪いことをした人に、反省を強要していませんか?

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

 

著者の別の本も過去に読んでいます↓↓

要点はどちらも同じかなと思います。抑え込むと、いつか爆発します。

 

以前読んだ「指導死」とリンクしました。「反省」という点で。 


本書は5章構成です。

 まえがき

 第1章 それは本当に反省ですか?

 第2章 「反省文」は抑圧を生む危ない方法

 第3章 被害者の心情を考えさせると逆効果

 第4章 頑張る「しつけ」が犯罪者をつくる

 第5章 我が子と自分を犯罪者にしないために

 あとがき

 

本書では安易に反省させることを否定しています。それでは本当の反省は得られないのです。何故悪いことをしたのか、本当の原因を突き詰めてこそ、真の反省が得られます。再度過ちを犯すことを防止します。

 

人は、自分がされたことを、人にして返すものです。-中略-

人を傷つける人は、自分自身が傷ついていると理解できます。自分自身が傷ついているから、自分自身を大切にできないのです。

自分の痛みに鈍感になり、そうすると、他者の心の痛みにも気付けなくなる、と書かれています。そして、人を傷つけること、犯罪を犯すことに罪悪感を抱かなくなるそうです。他者の痛みに気づくことができれば、少なくとも他者を傷つけるような行動はしないはずです。

他者を傷つける人は自分が深く傷ついている、そのことに本人が気づかない限り、同じことを繰り返すことになってしまいます。安易に反省を促す、反省文を書かせるという事は、表面的なところで事態を収束させているに過ぎないのです。

指導死、では、行き過ぎた指導が生徒を自死に追いやっています。そこまでして「反省させる」ことは、本当に無意味なことなのです。

 

著者はこのようにも書いています。

反省は「自分の内面と向き合う機会」を奪う事

問題行動を起こした時こそ、自分の内面と向き合うチャンスなのです。自分の内面と向き合い、否定的感情を外に放出することで、「しんどさ」から解放されるのです。なのに、安易な謝罪と反省文を強要することは、結果、抑え込まれた状態が持続し、「しんどさ」をため込み、爆発させてしまうのです。

 

著者は「しつけ」についても言及しています。

人は皆、弱い生き物です。だからこそ、人は人に頼って生きていかないといけません。

しっかりした人間に育てたい。これは、親なら少なからず考えることだと思います。そして、我慢強く、弱音を吐かず、人に迷惑をかけないような人間に育つようなしつけをします。このことが、子どもを生き辛くさせ、ストレスをため込ませ、爆発させるのです。本当は寂しいのにその気持ちを抑え込む(弱音を吐かない)、本当は苦しいのに誰にも相談できずため込む(我慢強い)、しつけによって刷り込まれた価値観が子ども本人を苦しめていってしまうのです。

いじめ、をする子も、犯罪を犯す人と同じような境遇です。しつけによって刷り込まれた価値観が多ければ多いほど、他者の「許せない部分」が増えていき、他者と良好な関係を築くことができなくなってしまいます。

 

おっとっと、私は変な価値観を子どもに刷り込んでいるかもしれません。変な、というか、自分流の勝手な価値観。そして、子どもを窮屈にさせてしまっている可能性が大いにあります。そして、結果不登校、みたいな?

こういった「親の思い込みにも等しい価値観」を子どもに押し付けることで、子どもの心が壊れてゆく、というようなことは、他の不登校本にも書かれています。だから、今更気付いたわけではありません。でも、「押し付けない」「命令、指示はしない」「口を出さない」など、また自分に言い聞かせることができました。

うっかりすると、ついつい、押し付け、命令、指示、口出しをしてしまうので・・・。

 

始めの方にも書きましたが、要は「抑圧しない」ことが大事なのです。子どもの気持に共感して、子どもが安心していられる場所であること、それが親の役割です。

 

読んだ日:2018年1月30日-31日

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

↑画像orタイトルをクリックするとamazonのサイトにとびます。